朝顔につるべとられて
蜘蛛嬢が物干しに糸を架けたので そこは使わないようにしている。
思い出すのが「朝顔につるべとられてもらひ水」という加賀千代女の有名な句だ。
以前からこの句は好きになれなかった。
井戸は共同のものだろうからこの後 朝顔はどんな目に合うか分からない。
巻きついた朝顔をそっと解いて安全なところに導いてやったらいいのにと思う。
「女らしい優しい句」という説を見かけたけど私にはそう思えない。
蜘蛛の糸はそうはいかない。
物干しにくっついているのは家の土台のような糸なのだから
うっかり触ると全体が壊れてしまう。
こんなに寒くなって後どれだけ生きていられるか分からない。
朝起きて一番に見に行くのが日課である。
コガネグモ
1週間ほど前、外は鮮やかな紅葉に染まった。
なのに2日間にわたって強風が続いたせいでだいぶ落葉してしまった。
気の毒だったのが何年ぶりかでベランダに素晴らしい蜘蛛の巣をはった蜘蛛である。
立派な蜘蛛の巣は強風に吹き飛ばされてすっかり壊れ、残った僅かばかりの残骸にしがみついているかわいそうな蜘蛛。風に翻弄されて今にもどこかに飛ばされていきそうだった。
ところが次の朝、風がおさまったベランダに元どおりの立派な蜘蛛の巣ができている。
凄い!コガネグモ(多分) どんなにせっせと働いたことだろう。
一昨年の夏、市主催の蜘蛛の講座があった。
行ってみると大盛況でスライドを見ながらのお話はとても楽しかった。
講義してくださる先生がつげ義春の「李さん一家」の李さんを彷彿とさせる佇まいなのもよかったなあ。
あのお姿で茂みの中を長〜い間覗き込んだり木の枝の辺りをボーッと見ておられたら(そこには蜘蛛の巣などがあるわけだが)さぞや不審な感じになるだろうな、とおかしくなる。
テディベア
この人は石楠花模様の絽の着物に
透けるピンクのショール。
髪型は耳隠し。
ゴブラン織のソファに腰掛けています。
初日の昨日、銀座人形館のテディベア作家さんにお会いした。
新作のベアを抱っこさせてもらって、嬉しい。
今までテディベアには全く縁がなかったけど
抱っこすると可愛い。
可愛すぎる。
穏やかなその方といろいろお話しして
作る時どんな気持ちか伺うと「無心で楽しい」とのこと。
これでベアさんはうちにきていただくことに決まった。
人形もそうだけど楽しく作るのが大事だと思う。
もう我が家に馴染んでいるね。
会場の様子
今日も気持ちのいい日だった。
帰りには銀座をぶらぶらしようと思っていたのに
日の暮れるのが早くて4時過ぎにはあたりは夕暮の気配。
薄着だったせいもあって早めに帰ることにした。