小泉タエさん

「届かなかった手紙」父小泉信三との日々 小泉タエ 母の本棚から持ってきたこの本を何度繰り返し読んだことだろう。 2月になって久しぶりに読んで嬉しかった。 読み終わると最初からもう一度読む。 小泉信三氏が多くの人に敬愛され慕われていたのは有名だが…

わからないの

わからないの。どうしたらいいの? トルソーを買ってしまった。 夜中にギクッとしないよう置き場所に気をつけて。 Eテレのソーイングビーを見ていたらトルソーさえあれば なんでも作れるような気がした。 トルソーがきた。でも実際は何もできない。 洋裁を習…

好きだったこと

わたしとチェロの写真はこれ1枚しかない。 チェロが大好きだった。毎日聴かずにはいられなかった。 でも習い始めてわかったのは 聴くのが好きなのであって自分で弾きたいのではないということ。 おまけに私は妊娠してお腹がどんどん大きくなった。 そのうち…

小説「挽歌」

原田康子の小説「挽歌」を再読する。 主人公玲子の恋人である桂木の奥さんは美貌の人である。 洋装のイメージだが もし着物を着たらこういう感じになるかもしれない。 「挽歌」を初めて読んだのは大昔のことだ。 その時はすっかり魅了されておそらく玲子に自…

無謀な試み

古い写真。 昔チェロを習っていた頃、この人形を作った。 人形よりチェロを作るのが難しくて、それがまた楽しくて夢中になった。 そして個展することになってチェロの人形が当然出る。 私は当時大好きだったチェリストの藤原真里さんに案内状を出した。 大フ…

小説 「武蔵野夫人」

以前 「武蔵野夫人」を読んだ時手元にあったこの人が 主人公のイメージに近いかなと思った。 「武蔵野夫人」は復員した大岡昇平が小金井の富永次郎宅に逗留して執筆した。 戦後の話とは思えないほど封建的な夫が出てくる。 ごく近くに住む親戚の中での錯綜し…

大相撲

趣味は読書とダンスと相撲観戦。 今日(19日)の大相撲は解説が間垣親方(白鵬)ということで 4時に晩ご飯済ませて相撲観戦。 昨年は3横綱(白鵬 鶴竜 稀勢の里) が解説に登場して実に良かった。 それぞれ素敵なのだ! 今日は2回目の間垣親方登場なのでワク…

20本の薔薇

お正月に飾ったまりと羽子板。 私は羽子板で羽根つきしたことがある最後の世代かな。 薔薇農家さんから20本の薔薇が届いた。 花屋さんで買うのと違い花も葉も元気いっぱいである。 反抗期真っ盛りの中学生みたいにとんがった棘もびっしりついている。 花屋さ…

昔の子供は

昔 私が子供だった頃、この女の子みたいな髪型をしていた。 少女漫画の主人公みたいな長い髪に憧れているのに 許してもらえなかった。 自分の影がまるでおしゃもじみたいに見えるのが悲しかった。 子供って自分の影を見て悲しむんだなあ〜 かわいそう!

山本富士子みたいな人

年末にいつもの喫茶店に行った時のこと 大好きな遠藤さんから今日限りで退職と告げられた。 山本富士子の若い時のような美貌でいつも天女のような微笑みを 浮かべている人だった。 日本髪を結って薄紫の着物を着たらさぞや素晴らしいだろうなと思っていた。 …

午後の曳航

今日は横浜に行く予定だった。 晩秋の横浜で三島由紀夫の「午後の曳航」の舞台を散策してみたいと思ったが 昨日から気温が低く風が強くなったので取りやめにした。 竜二が少年たちに案内されて最期の場所に行くところは 巨大な船が邪悪なタグボートに操られ…

金魚

この子たちは8年前に作った。 金魚みたいに赤いヒレが背中にくっついている。 自宅のベランダから見えるのは空と原っぱと木だけ。 大好きな眺めだけど その代わり交通の便が悪い。 30分に1本の小さなバスが頼りだ。 先日 そのバスに乗ったら5組のカップ…

横顔

こういう人をもう一度作りたい。 昔 京都駅の手荷物預かり所の列に並んでいた時、私の前に親子連れがいた。 若いお父さんの横顔が中高のいい感じだった。 東京に帰って1週間ほど経って電車に乗った時のこと、 空いてる席はなかったので立った私の前に座って…

髪を結う

久しぶりに人形制作。 髪の毛を結い始めてもう1週間は経っているけど進まない。 先日、「黒革の手帖」を観た。 武井咲さんが以前にまして美しく そのうえ あの若さで貫禄まで備わって実によかった。 着物姿も素晴らしくこれは着物業界にとってはありがたい…

超絶技巧

超絶技巧工芸品の帯留め。 30年ほど前 象牙彫刻師の方に作ってもらった。 鳥獣戯画の写真を持っていってこの場面を、と相談した時は洋風のものしかやらないと少し戸惑われたようだったけど 直径5cmの世界ですごいものを作っていただいた。 蛙のお腹の膨らみ…

朝顔につるべとられて

蜘蛛嬢が物干しに糸を架けたので そこは使わないようにしている。 思い出すのが「朝顔につるべとられてもらひ水」という加賀千代女の有名な句だ。 以前からこの句は好きになれなかった。 井戸は共同のものだろうからこの後 朝顔はどんな目に合うか分からない…

コガネグモ

1週間ほど前、外は鮮やかな紅葉に染まった。 なのに2日間にわたって強風が続いたせいでだいぶ落葉してしまった。 気の毒だったのが何年ぶりかでベランダに素晴らしい蜘蛛の巣をはった蜘蛛である。 立派な蜘蛛の巣は強風に吹き飛ばされてすっかり壊れ、残っ…

テディベア

この人は石楠花模様の絽の着物に 透けるピンクのショール。 髪型は耳隠し。 ゴブラン織のソファに腰掛けています。 初日の昨日、銀座人形館のテディベア作家さんにお会いした。 新作のベアを抱っこさせてもらって、嬉しい。 今までテディベアには全く縁がな…

会場の様子

今日も気持ちのいい日だった。 帰りには銀座をぶらぶらしようと思っていたのに 日の暮れるのが早くて4時過ぎにはあたりは夕暮の気配。 薄着だったせいもあって早めに帰ることにした。

個展、あしたから

昨夕 個展準備のために銀座人形館に行った。 予め送っておいた人形たちはすでにちゃんと展示されており いつもながらありがたいことと感謝!! 私は殆ど何することもなく夕暮れの銀座をゆるゆると駅に向かった。 ひと頃の銀座は大通りに観光バスがずらりと並…

枕草子

いっとき枕草子にのめり込んだことがあった。 特に好きなところを書家の方に書いていただいて 屛風に仕立てた。 もちろん、人形たちに合うように。 枕草子

月夜の西洋かるた

この人が手にしているのはディズニーの「眠れる森の美女」のトランプです。 昔から家にあったもの。 ところで これからはトランプじゃなく西洋かるたと呼びたい。 トランプという名前にはあまり楽しくない色付けがされてしまったから残念だ。 似たような話が…

天上の青

「天上の青」は1988年から新聞連載された曽野綾子の小説である。 連載の時は主人公の雪子があまり好きになれなかった。 それから何回読んだだろうか。 読むたびに少しずつ違う感想を持つが最後は泣く。 今回読んで、雪子の言ってることに共感を持てるように…

映画  「隣の女」

1981年のフランス映画「隣の女」は衝撃的なストーリーだった。 隣にすむ元恋人の家の寝室にこっそり忍び込んだ女。 そこで見たのがベッドの上に無造作に置かれたレースのスリップ。 それは夫に愛されている美しい幸せな妻を連想させるもので 女は嫉妬が燃え…

特別な一日

ずいぶん昔のこと、TVのCMでおしゃれで綺麗な女の人が 「女に特別じゃない日なんてないのよ」 と言ったのが印象的だった。 同じ人がもっと昔、カップ麺のCMで ちびちび食べる人を見て その頃はお嬢様という感じだったのに 「そんなふうに食べるもんじゃあり…

襟足の美しいひと

先日、電車の中で素晴らしい襟足の人を見た。 2本の細い砂州のような、嘴のような、くっきりとした襟足で それが上に向かって生え揃っている。 もう日本髪のためにあるような襟足だった。 おまけにこの方はとても華奢で美しく、まるで明治の令嬢という雰囲…

もうすぐ個展

猫の碁

楽しそうな猫たち。 この頃、猫と暮らしたら楽しいだろうなと思うようになった。 欲しい! 可愛くて綺麗であったかくて甘えん坊で、ああ〜 だけど最後が辛かったなあ。 どうしよう

大きいお家

ここは小さいお家だけど傘とヴァイオリンを持って立っているこの子にとっては 間違って来てしまった「人間の大きいお家」のようなものかもしれない。 映画の「小さいお家」は忘れられない。 だけど美しい松たか子にあの相手は似合わないと思ったものだ。

父とは殆ど話したことがない。 怒られたこともない。 父のお葬式の時、弔辞を聞いてああそういう側面もあったのだ、 立派な人だったんだと気づかされた。もっと早く知りたかった。 亡くなる前日まで仕事をしていた。 でも寿命が尽きてしまった。 亡くなった…