2022-01-21 小説 「武蔵野夫人」 以前 「武蔵野夫人」を読んだ時手元にあったこの人が 主人公のイメージに近いかなと思った。 「武蔵野夫人」は復員した大岡昇平が小金井の富永次郎宅に逗留して執筆した。 戦後の話とは思えないほど封建的な夫が出てくる。 ごく近くに住む親戚の中での錯綜した恋愛模様が描かれていて 辟易させられるような感じがあるけど 死線を彷徨ってきた作者にはこんな登場人物達の葛藤は 平和の証なのだろう。 富永二郎邸跡地も含め物語の舞台となった小金井の[はけ]が 新しくできる道路のために破壊されるのが残念でならない。