小説 「武蔵野夫人」

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以前 「武蔵野夫人」を読んだ時手元にあったこの人が

主人公のイメージに近いかなと思った。

 

「武蔵野夫人」は復員した大岡昇平が小金井の富永次郎宅に逗留して執筆した。

戦後の話とは思えないほど封建的な夫が出てくる。

ごく近くに住む親戚の中での錯綜した恋愛模様が描かれていて

辟易させられるような感じがあるけど

死線を彷徨ってきた作者にはこんな登場人物達の葛藤は

平和の証なのだろう。

 

富永二郎邸跡地も含め物語の舞台となった小金井の[はけ]が

新しくできる道路のために破壊されるのが残念でならない。