うなじ


先日電車の中でみかけた若いおんなのひとのうなじがきれいだった。
「その子二十櫛に流るる黒髪のおごりの春のうつくしきかな」
この歌がすぐ頭に浮かんだ。
うつむいてなにかを熱心にみているそのうなじが美しく
まっすぐな髪をひとつの三つ編みにしているのが可愛らしくて 
歌を思い浮かべながらしばし鑑賞した。



この素朴な自然の美にくらべると
山本富士子さまのうなじは国宝級の日本画みたいな美しさだ。
でも甲乙はつけがたい。



素敵なおんなのひとはよくみるけど素敵な男の人はといえば
大昔 冷蔵庫を買った時運んできた人が
森茉莉の「枯れ葉の寝床」のレオみたいな美少年だったこと。
そうするとずいぶん長いこと素敵な男の人をみていないということになる。