恋の予感


この人の題名は「恋の予感」
何故そうなのかよくわからない。
ずいぶん前から美しい言葉を見つけると
すぐノートに書いた。
人形の題名を考える時このノートを見てみる。
今回は「恋の予感」と言う言葉が
なんだかこのひとににあっているような気がした。





いつもは夢のくにの住人をつくっているのだけど
このひとは珍しく現実の人みたいにしようと思ったので
とても難しくて時間が倍くらいかかった。


モガの薔薇着物


先日 手に入れたばかりのこの着物は
まっさらのいい状態だった。
ほどくのも楽しい。
高畠華宵の絵のようなロマンチックな薔薇模様で
どんな人に着せようかとうきうきした。


パーマヘアだったこのひとをモガ風の断髪に替え
おしゃれな髪飾りをつけてみる。
着せてみたら似合う!
よかった〜



肘掛けに軽く載せた右手には指輪をしています。


11月に銀座人形館での個展があります。
もう全員揃った!
あとはつくづく眺めてきものを着せ替えたり
髪型を替えてみたり 
楽しむばかり。
 

 

このひとも夏物を着ていたけど
落ち着いた紫の袷に替えてみたらとても似合う。
水色の絽のときは冴えなかったのに
これではまるで映画「春の雪」の聡子さんが少しおとなになったみたい、
とうれしくなった。
竹内結子さん演じる聡子はアンティ-ク着物好きにはたまらない
素敵な着物姿をみせてくれた。
でもだんだんすごいことになって...
クールだった妻夫木くんが最後は
あんなになって...

もういっかい観たいなぁ



日傘


日傘で思い出すのは「新潮文庫の百冊」の宮沢りえさんだ。
海辺で日傘をさして文庫を読んでいる姿は今でもよく覚えている。
着物も日傘もアンティークのようでよく似合って
実にきれいだった。彼女がほんとうに美しかった頃で
もう20数年も前のことである。

そして黒革の手帖武井咲さんの日傘も素敵だ。
ウラが黒で折りたたみなんていう実用的なものは
美しくないんだなあと反省する。
荷物も持ってはいけない。
小振りのハンドバッグしか持たない。

おしゃれは大変なのだ!




この方が持っているのはシルクの雨傘です。

読書のあと



日本橋高島屋の「SU.TE,KI]展に行ってきた。
ビーズ作家の田川啓二氏の作品とおばあさまのきものが展示してあった。
実物の着物と帯は素晴らしい刺繍がふんだんに施された豪華なものばかりで
見せてくださってありがとう!と嬉しい気持ちでいっぱいになった。
夏物の紗にも豪華な刺繍がしてあったけど
暑い時に勿体無くて着れないな〜と現実的なことを考える。


夏帯に30cmくらいの緋鯉が二匹刺繍されたものがあった。
お太鼓と前中心に一匹ずつでこれが超写実的。
刺繍職人としては欣喜雀躍 渾身の作品だったんだろうな〜
あまりにも素晴らしくて思わずためいきをついたら
隣にいたひとも同じようで見知らぬ同士顔を見合わせて笑ってしまった。

大正浪漫のきもの

これぞ大正浪漫!といいたいきものを手に入れた。
青磁色の地にロマンチックな薔薇模様が描かれている。
しつけがついたままで一度も手を通してない綺麗なきもの。
ああ うれしい!
模様がくっきりしているのでこれを着こなせるのは
華やかで少々お転婆そうな断髪のモダンガールかなあ
なんて空想している。


ビーズ作家の田川氏のおばあさまは400枚の着物を持って
お嫁入りされたそうだ。
手を通されなかったきものもいっぱいあるんだろうな。
戦災で殆どが失われたとか。
遺ったごく一部を拝見したが日本の職人の技術の粋を結集した
素晴らしいものばかりで今はもう作れないらしい。


お金持ちは外国のブランド洋服ではなくきものも買ってください。